AI がコードを書く、検索を答えに変える、そして米中ビッグネームの提携が政治リスクを呼び込む——そんな濃い 1 日。技術と社会が交差した 3 つの動きを押さえておこう。
OpenAI「Codex」登場──AIが本格的に“エンジニアの同僚”になる時代
OpenAIが新たなAIエージェント「Codex」をChatGPTに正式実装。エンジニアリング向けに最適化された新モデル「codex-1」を搭載し、コード作成・バグ修正・テスト・プルリク提案まで一括でこなす。
クラウド上のサンドボックス環境で動作し、複数のタスクを並列処理。ChatGPT Pro/Enterprise/Teamユーザーが利用可能。
特徴は「チャット型」ではなく「タスク依頼型」。自然言語で依頼すると、Codexが実際にコードを書き、テストを繰り返し、成果物を納品する。
人間エンジニアのスタイルや慣習も学習済みで、現場の開発フローに自然に溶け込む設計。
今後はPlusやEduプランにも順次解放予定。
AIが「自律的な開発パートナー」として現場に常駐する時代がいよいよ現実味を帯びてきた。
Google検索「AIモード」拡大──検索体験が“会話型”に進化
Googleが検索エンジンに「AIモード」を本格導入。従来のリンク集ではなく、Gemini 2.0による会話型AI回答を直接表示する新体験。
質問を入力すると、AIが要点をまとめた解説や比較表を生成。必要に応じて追加の質問(フォローアップ)も可能。
コーディングや高度な数学、画像を使った質問にも対応し、複雑なリサーチや商品比較も一発で整理。
米国では5月から一般ユーザーへの展開が拡大中。今後は飲食店や商品の画像付きカード、過去検索の履歴管理なども追加予定。
検索=“青いリンクを辿る”時代から、“AIに直接答えを聞く”時代へと大きく舵を切った。
米中AI提携に新たな緊張──Apple×Alibaba連携へ米政府が警戒
Appleが中国市場向けiPhoneにAlibabaのAI技術を搭載する計画を進行中。
これに対し米政府が強い懸念を表明。
主な論点は「中国企業のAI能力強化」「北京の検閲・データ共有法へのAppleの脆弱性」「米中間のAI主導権争い」など。
Alibabaは2月にこの提携を公表し、中国国内でのAI競争力を高める狙い。
一方、米国側はAI技術の流出や検閲リスク、国家安全保障上の課題を指摘。
AIを巡る米中対立が、企業レベルの提携にも直接影響を及ぼすフェーズに突入した。
まとめ
AIの「現場実装」と「社会的インパクト」が一気に加速した24時間。
エンジニアの働き方、検索体験、そして国際企業戦略まで、AIが日常とグローバル競争の両面で主役に躍り出ている。
来週以降も、現場目線での“使いどころ”と、社会・経済を揺るがす動きに注目したい。